来年の研究プロジェクトの打ち合わせで、東工大博物館へ。 毎週通っているにも関わらず、きちんと見たのは初めて。 一階は焼き物と建築と言う工芸、アートの世界に進出した卒業生の展示。 民藝運動が、東工大出身者に占められているとは、知らなかった! その他にも、機械や化学、電機など様々な展示。 普通の博物館と違って、大学博物館はモノを見せているのではなく、 人(卒業生や先生)を見せているんだ、という展示担当者の言葉は面白かったです。 でも、本当に面白かったのは、展示室の什器。
実は、東工大博物館は、2人の助教の方で運営されているそうなんですが、 一人が建築学科卒業だそうで、全て什器は彼のデザイン。 壁一面に展示物が展示できる備え付けの棚、 ガラスの面とすりガラスの面があり、デザイン的にリズムがあってオシャレ。 でもすりガラスの裏には、展示物の箱などが収納されているらしい。
上記の写真の什器も、展示している下の部分は収納スペースになっています。 また、キオスク端末の箱も、天板だけ変えて、パンフレット置きになったりします。 連結させた什器は、電源も一か所で消せるらしく、とことん博物館スタッフのために デザインされた什器類、美しい。 極めつけは、グッドデザイン賞を受賞した、 会議室を展示空間に変えることができる、移動型の演示台。
この部屋はもともと展示室として設計されていない会議室では、 一か所に重たい展示物を置くことができなかったそうです。 その事情から、小さな演示台をたくさん作り、分散して、展示しています。 3つの高さのバリエーションがあり、一つ一つの作品が見やすいのもいいし、 下には、すべてコロコロが付いていて、移動可能なため、 展示テーマによって、デザインが変えられるところもいい。 什器デザインなんて、スタッフが教員だからのこそできたこと。 大学博物館の長所を知ることができて、大変興味深かったです。